もっと、君に恋していいですか?

夕方。

志信はなんとなく薫に連絡する事もなく、久し振りに一人きりの土曜日を過ごしていた。

カーテン越しに射し込んだ夕陽が、部屋をオレンジ色に染める。

いつもはすぐそばにいる薫を想いながら、鳴らないスマホを眺めて、志信はため息をついた。

(こんな時でも、電話のひとつもしてこないんだな…。)

夕べからずっと薫の反応を待っている。

素直に謝ろうかとも思ったが、薫の本当の気持ちが知りたい。

自分のために慌てたり必死になったりしてくれたらと、薫を試している自分がいる。

それが自分らしくない事も、男らしくない事もわかっている。

それでも、薫も自分を好きだと思ってくれていると言う事を確かめたい。

(オレの事好きだって…好きだから一緒にいたいって…言ってよ…薫…。)