もっと、君に恋していいですか?

女性客はワクワクしながらスピードくじを3枚選び、薫に手渡した。

くじを開くと、4等が2枚と3等が1枚。

「4等は1.5リットルのスポーツドリンクですね。3等はガラスの冷水筒です。」

「麦茶冷やすアレね?」

「そうです、麦茶冷やすアレです。」

「助かるわー。夏休みに入って、ちょうど買い足さなきゃって思ってたところ。」

「喜んでもらえて良かったです。景品、お車に入れておきますね。もうすぐ洗車終わりますので、あともう少しだけお待ちください。」

「洗車まで?」

「タイヤ交換のお客様にはサービスで洗車させて頂いてますから。」

「ありがとう!」

薫はにこやかに頭を下げてサービスルームを出ると、洗車が終わった車を洗車機から出して拭き上げ作業に入った。

「卯月さん、手伝いましょうか?」

若いスタッフが薫に声を掛けた。