もっと、君に恋していいですか?

志信と付き合う少し前まで、薫は浩樹との苦い恋愛の経験に傷付き、もう2度と恋愛はしないと頑なに心を閉ざしていた。

笑って話せるようになったと言う事は、薫にとって浩樹が過去の人になったと言う事なのだろう。


志信は薫の手を優しく握った。

「今はオレがいるじゃん。」

「うん。だから、今は幸せ。」

しばらく、手を握り合ったまま海を眺めた。

大切な人が隣にいて、お互いに相手への想いを伝え、“この人が好きだ”と声に出して言える事は幸せだ。

これから先、薫の隣にいるのは自分でありたいと志信は思う。

薫にはずっと自分だけを見ていて欲しい。


「薫、今度さ…指輪、買いに行こう。」

「え?」

薫は驚いて志信の顔を見た。