もっと、君に恋していいですか?

「学生の頃に付き合った人とは、バイトが休みの日に学校帰りにちょっとハンバーガー食べに行ったり、一緒に勉強したりとか…それくらいしかしなかった。学校が休みの日はいつもバイトしてたから。」

「すぐ別れるわけだ…。」

前に薫から聞いた学生時代の恋愛の話を思い出して、志信は思わず、学生時代の彼氏じゃなくて良かったかもと、苦笑いした。

「会社に入ってからは…仕事の後でうちに来る事はあっても、休みの日にはあまり会ってもらえなかったし…。会っても一緒に外には出なかった。後で思えば、私といるところを誰かに見られるのがいやだったんだろうね。」

薫が入社して間もない頃に付き合っていた浩樹には、薫以外にも、同じ部署に勤める彼女がいた。

薫は2年もの間その事には気付かないままで、しばらく連絡が途絶えたと思ったら、薫の知らないうちに浩樹は、浩樹の子を身籠った彼女と結婚して、支社に異動していた。

後になって、別の人からその事実を聞かされ、薫と付き合うより前から、浩樹がその彼女と付き合っていたと知った。

「堂々とデートが出来るような相手じゃなかったからね。一緒にどこかに行った記憶も、記念日にプレゼントをもらった事もないな。所詮は浮気相手だから。」