もっと、君に恋していいですか?

前川とありさは、ペンギンの水槽の前で、ものすごい速さで泳ぐペンギンに見入っていた。

「すげー…。ペンギンって、泳ぐのめちゃくちゃ早いんだな。」

「ホントに…。オリンピックで日本代表として泳げばいいんじゃないですか?絶対に金メダルですよ。」

「なるほどな。あ、でもダメだ。コイツらバタフライとか平泳ぎとか出来ないじゃん。泳ぎの形が種目にない。」

「自由形じゃダメですかね?」

「いくらなんでも自由過ぎんだろ。」

「そもそもペンギンですからねぇ。そこから既に自由なんじゃないですか?」

どこかズレた二人の会話が聞こえた周りの客たちが、クスクス笑っている。

「オレら、なんか笑われてる?」

「え?私たちがですか?なんで?」

自覚のないありさの反応に、さらにクスクス笑いが起こった。

「とりあえず、別のところ行こう。」

前川は慌ててありさの手を握った。