もっと、君に恋していいですか?

敦はため息をついてゆっくりと立ち上がった。

「大好きなのに、また怖がらせちゃった。ゴメンね、薫ちゃん…。」

寂しげに呟いて、敦は薫と志信に背を向けて去っていった。


志信はその背中を見ながら、胸が痛むのを感じていた。

ほんの少し前までは自分も同じように薫に片想いをしていた。

自分を好きになって欲しくて、切なくて苦しくて、浩樹から薫を奪ってしまえたらいいのにと思っていた。

(オレも同じだったから、アイツが薫を好きで切なくて苦しくてどうしようもないって事も…奪ってしまいたいって気持ちもわかる…。でもオレは…薫を他の誰にも渡すわけにはいかないんだ…。幸せにするって約束したから…。)


志信は、まだ少し震えている薫の背中をトントンと優しく叩いて、薫の気持ちが落ち着くのを待った。

「薫…大丈夫?」

「うん…ありがと…。」