もっと、君に恋していいですか?

薫の後ろ姿を眺めて眉間にシワを寄せている志信に、えりかが怪訝そうに声を掛ける。

「笠松さん、どうかしました?」

志信は我に返り、首を横に振った。

「いや…なんでもない。」





「待って、薫ちゃん。」

敦は急いで階段を駆け降りる薫の腕を掴んで引き留めた。

「彼に…何も言わないの?」

「津村さんには関係ないです…。」

敦は震えた声で呟く薫を引き寄せ抱きしめた。

「関係あるよ!オレは薫ちゃんが好きだから。薫ちゃんにそんな悲しい顔させる男なんかやめて、オレを選んでよ。絶対に泣かせたりしないから。」

「離して下さい…。」

「いやだ。離さない。」

敦は薫を抱きしめる腕に、更に力を込めた。