もっと、君に恋していいですか?

経理部で領収書と書類を提出した後、SS部へ戻る途中。

薫は、廊下の先の休憩スペースで、若い女性社員と話している志信の後ろ姿を遠目に見かけた。

(志信…誰と話してるんだろう…。)

薫の胸を、また不安がよぎる。

(気にしすぎ…。志信だって女子と話くらいするよ…。)

薫は出来るだけ平静を装って廊下を歩いた。

薫に背を向けてその女性社員と話している志信は、近付いてくる薫に気付かない。

「笠松さん、この間の合コンの時、途中で帰っちゃったじゃないですか。」

聞こえてきたその女性社員の言葉に、薫は思わず足を止めた。

(合コン…?)

「ああ…うん…。」

「せっかく笠松さんと仲良くなれると思ったのに、ガッカリでしたよ。」

「ごめん…ちょっと気分が優れなくて。」

「また飲みに行きましょうよ。」

「ああ…うん…。」