もっと、君に恋していいですか?

渋滞に少し苛立っている薫の横顔を、敦は助手席でそっと見つめていた。

薫を無理やり押し倒したあの夜から、薫に避けられている事に、敦は気付いていた。

仕事が終わった後、薫が寂しそうに遠い目をするのを見て、彼氏の事を考えているのだろうと思っていた。

薫が新入社員の頃は、別の人と付き合っていた事にも敦は気付いていて、歳下の自分は恋愛対象にもされていないと、ただ薫を見ている事しか出来なかった。

歳ではどう頑張っても薫には勝てないけれど、あの頃と違ってそれなりに大人にもなり、少しは出世もした今の自分なら、薫を幸せに出来るかも知れない。

薫に寂しそうな顔をさせる彼氏なんかより、自分を選んで欲しいと敦は思う。

断られても、拒まれても、何度だって好きだと言い続けていれば、いつかは薫もその想いに応えてくれるかも知れない。

目の前で他の男に彼女を抱きしめられても、文句のひとつも言えない男なんかより、薫を幸せにする自信はある。

敦は薫の横顔を見ながら、絶対に彼氏よりも自分を好きだと言わせてみせると心に誓った。