金魚は思った。

しかしこの場所は実に泳ぎにくい。
進んでも進んでもぶつかるし、いっこうに進まない。

「なんでこんなところに閉じ込めるの?僕、何もしていないのに…」

金魚はまだ幼い。
母にも友達にも会えない悲しさは人間にも分かってもらえると思う。

そんな矢先…

金魚に希望の光りが差し込んだ。

ガタッと揺れた。
そして空が割れたように開けた。

「だして貰えるんだ!」