透の左手の薬指には銀の指輪が輝いている。
「夏知(なち)さんは?」
「ああ、夏知なら会場にいる。お前のドレス姿楽しみにしてる」
「そっか。透、あんな美人できれいでいい人いつ逃げられてもおかしくないんだからね!しっかり捕まえときなよ!」
「うっせ。あっちからプロポーズしてきたんだ、俺にゾッコンだよ」
「え!ちょっと何それ!初耳!女からプロポーズさせるなんてサイッテー!」
「ていうかお前も!社長婦人だろー?もっと品よくしろよ」
「うるさい。もともと品ありますー」
「はっ。夏知が聞いたらびっくりするぜ」