透が寂しそうに言う。


「お母さん………実は俺、薄々思ってたんだ。おれは『夜咲』じゃないんじゃないか、桃とは兄妹なんじゃないかって」


「………そう、なの」


お母さんは申し訳なさそうな声を出す。


「………だから、覚悟はできてたんだ」


透が私に向き直る。


「桃…………いい兄妹になろう」


透が手を差し伸べる。


「………うん」


私は手をとる。