命の危機に関わらなくても、透が私から離れるなんて、無理。


透には私のそばで笑っていてほしい。


………まあ、貧血気味だったっていうのは初耳だけど。



「あー………藤倉さん、私ちょっと職員室に行ってくるわね」


「はい」


保健室のドアが閉まって、私と透は二人きりになる。


「…………………透、私を置いてどこかへ行ったりしないでね」


私は寝ている透の横で独り言をつぶやく。