私は軽く透のシャツを掴む。 ………こ、これくらい甘えたって、バチは当たらないよね? 前から感じ取れる透の気配に安心する。 私は心地よく吹く風を感じ、目を閉じる。 遅刻にならないよう、必死で走る自転車は下り坂を通過した。 流れに乗ってスピードは上がり、学校まで一直線に走った。