「………しょうがねぇな」


呆れたように言う透は、自転車が止まると降りた。


「ん。降りろ」


そう言って私の降りたサドルに座り直す。


「ちょっと尻痛ぇけど、我慢しろよ」


私に荷台に座ることを促して代わってくれた。



━━━━━これだから。


透は結局優しいから、私はこの人に恋をしてしまう。