枯れ木に水を...

その日から
百瀬と会わなくなった




『ねぇ莉那〜
最近百瀬くん
学校来てないんだってぇ』


「みたいね」



特に興味なんてない

時間の無駄だ




『あ…そっか
もうそろそろなんだね』



深愛はケータイを見て
思い出したような口調で
あたしに言った





『くぅちゃん…
もう五年になるよね』





くぅ…



あたしが百瀬を
信じられなくなった
一番の原因




今となれば
許すことなんて
簡単に出来るはずなのに



あの頃は
あたしも百瀬も
子供だったから


どうしても
許せなかったんだ