「そんなときに、何となく出掛けた先で、
声をかけられたの。


『綺麗な絵、見ない』


って、その人が中に入れてくれた。


後で分かったことだけど、
天羽聖展 だったんだよね。


どれも凄くいい絵だった。


悲しさで押し潰されそうな私に彩りを
持たせてくれた。

心が温かくなっていった。


その時に、声をかけてくれた人が、


『これが、綺麗な絵だよ』


って、紹介してくれたんだ。


大きめなキャンバスに描かれた

あの絵。


朝日に照らされている海


朝焼けの空


何でかは、分からないけど、その時
涙が止まらなくなったの。

辛くて泣けなかったのにあの絵をみたら、
涙が溢れてきた。

今も、不思議なんだけどね」