いつもより10分も早く登校したはいいものの、

まだ数人しか教室にいない殺風景な空間に

少しだけ違和感を感じていた。

たかが10分。

なのに、ほんの少しの差で

こんなにも風景が変わるなんて思ってもいなかった。

そんなことを感じながら、

ただ気持ちだけが先回りして来てしまった私は、

特にやることもないので1人窓際に立って

外の景色をぼうっと眺める。

1分ごとにだんだんと

登校してくる生徒の数が多くなってくる。

早く美園たちこないかな……。

そんなことをぼんやりと考えながら、

登校してくる集団を目で追う。

ふと急に背中に強烈な痛みが走り、後ろを振り返る。