「ま、そこが羽衣らしさなんじゃん。」

美園の隣にいる、少し髪が長めの男の子、

三上雅也(みかみ まさや)が、

私たちの会話をまとめるかのように一言ぽつりと言う。

雅也は私たちグループの中で物静かなまとめ役

なのかもしれない。

「雅也、フォローありがとう。」

私が言うと、雅也はフンと鼻を鳴らしながら、

「別に俺、羽衣のフォローしたつもりないけど。」

と静かに呟いた。

私たち4人はいつも一緒に過ごしている。

入学式の日に偶然声掛け合った者同士のグループ。

それが縁で、

こうして時間が少しでも見つかると自然と4人が集まる。

何をするわけでもないのだ。

こうして顔を合わせてしゃべるのが

4人の中で当たり前になっていた。

ただ……

私は、

自分の本当の気持ちを表に出すことはないけれど。