「何書いてあったんだ?」
真がチラリと手紙の内容を覗き込んできた。
「っなんでもない」
私は直ぐに手紙をとじた。
その行動はあまりにも不自然で。
「優那ちゃんどうしたの?」
夕も不思議そうにしてる。
「あんまり詮索してほしくないならしないけど」
「そういうことじゃなくて……」
なんだか見られてはいけない気がしたから。
約束ってなにか、私にもわからないから。
それでも
「あの、私皆に言ってないことがある」
「言ってないこと?」
透が聞き返す。
「といっても私、自分のことあんまり話してないけど」
「じゃあこの際に、優那ちゃんのこともっと知れるってわけだね!」
「はぁ……」
なぜか真はため息をついた。
「こんなこと言って、今がどうこうなるわけじゃないけど………私」
「ふあ~。皆何してるの?」
「蒼空、今までずっと寝てたの?」
私の告白は蒼空によって遮られた。
「うん。で、なにごと?張り詰めたような雰囲気だけど」
何も知らない蒼空は、呑気だ。
「あぁ、それが……」
「優那ちゃんが言いたいことがあるって」
「……ごめん。大したことじゃないんだよね。実は私もピーマンが苦手なの。それだけ」
やっぱり今言うことじゃないね。
「え?」
「お母さん、私がピーマン嫌いなのわかっててわざとピーマン送ったって手紙に書かれてて。見られたらバレると思ってつい隠しちゃった」
本当は食べれるけど。
口が饒舌に嘘をつく。
「優那ちゃんも!?これでピーマン嫌い同盟結成だ!」
「……嘘つき」
誰も気づかない。
真がそう言ったことに。


