「くっ、まだ粘るのかよ……流石の俺もそろそろ辛いんだけど。」
あれから何回ルーレットを回したのか。
覚えていない。
私達は今、とんでもない格好になっている。
3人の手足があっちへ行ったりこっちへ行ったりだ。
少して動けば倒れてしまいそうになる。
「優那ちゃんのパンツ見えそー」
呑気に夕は私を見つめながらそういう。
私達は未だ制服のままだ。
つまり私はスカート。
「確かにぎりぎりだね」
透まで………
でも残念
「見せパン履いてるから安心して」
「ちぇー、つまんないの」
夕は口を尖らせてそう呟いた。
「じゃあ、次いくよ。………えーっと、左手を緑…だね。って優那ちゃん大丈夫?位置的に難しそうだけど。
」
その通り、指定された緑まで左手を伸ばすのはかなり困難。
だからといってギブアップするつもりはない。
「うぅ……」
もう少し。
「わっ……!」
もう少しで届きそう……というところで、汗ばんだ右手がツルッと滑る。
「優那っ……!」
「……いたた」
「大丈夫?優那」
頭を打ちそうになった私を支えてくれたのは蒼空だった。
「ありがと。でも、これじゃあ2人ともアウト」
「ああ、本当だ」
「ってことは、真の勝ちか。俺は優那ちゃんに勝って欲しかったけどな。うっわ、真ったら凄い怪しい顔してる」
「僕はどっちが勝っても良かったんだけどね」
負けてしまった。
「負けたお前らには罰ゲームを受けてもらう。いや、元は優那、お前に罰ゲームを受けさせたかったんだ。だからお前だけだ」
「罰ゲーム……そんなの聞いてない」
「優那だけ?俺には?」
蒼空も罰ゲーム受けたかったのか。
そんなに嬉しいものじゃないと思うんだけど。
「今日から1週間、俺の奴隷になれ」
「真ったらえげつないなー」
そうは言ってるけど、どうしてそんなにニコニコしてるんだ夕は。
「……分かった」
「優那ちゃん本当にいいの?」
透が心配するように尋ねた。
「うん。負けたのは事実だし。言うことは聞く」
「よしよし、物分りが良くて助かるぜ」
満足気な顔をしてるけど、この人はいったい私に何をさせるつもりなんだ。


