「じゃあ早速始めるぞ」
リビングに敷かれた一枚のシート。
夕が言った通り赤、青、黄、緑の4色の丸が1列ずつ、計4列ある。
真の手にはルーレット。
ソファには夕と透が座って見物。
「じゃあ俺VS優那&蒼空だ」
「真は一人でいいの?」
一対二じゃ卑怯な気がする。
「夕か透も入れたら?」
「僕は遠慮するよ。その代わり審判してるから」
「俺もちょっと……」
2人とも微妙な顔してる。
そんなに嫌なんだ。
「俺は1人でも楽勝だ。元々このゲームは個人戦だしな。
お前ら二人は、どちらかがアウトになっても、もう一人がアウトにならなければゲーム続行だ。
先にアウトになった方が負け、いいな?」
「分かった」
「じゃあまずはじゃんけんだ」
「「「じゃんけん、ぽん」」」
結果、私、蒼空、真という順番になった。
「じゃあ次はルーレット……」
「それは僕がやるよ!不正がないようにね」
「それもそうだな」
真は素直にルーレットを渡した。
「じゃあ早速いくよ。最初は、優那ちゃんか。簡単なのが当たりますよーに!」
夕はルーレットの針を思いっきり回した。
「えーっと、左手を青、だって」
「左手を青につければいいの?」
「ああ」
しゃがんで青い丸に手を置いた。
「えいっ。蒼空は……」
「右足を黄色、だね」
「こう?」
「次は俺が回していい?」
夕の隣に座る透が楽しそうに言った。
「いーよ」
「真は、右手を赤」
ここまではいいんだ、ここまでは。
まだまだ始まったばかりだ……


