多分みんなもなにかを察したんだと思う。



歩いている間はもちろん無言だった。


でもただ無言なだけじゃなくてなぜか話してはいけないそんは空気だった。



「きー。ついたよ」



『玲。ありがとう』



そう言って家に入ろうとした時、


ギュッ


玲がまた抱き着いて来た。



「きー、きーは……いなくならないよね…?」



その言葉はさっきよりもずっと弱々しくて……



『うん』



弱い私にはそうとしか返せなかった。



「よかった。………俺……両親がいないんだ」


その一言から玲の過去は始まった。