「ゆ、由羅!あのでかい箱はなんだ!」




神社を出てすぐ鬼羅さんが騒いだのは、車。
テレビでは見ていたはずだけど、実物の大きさに驚きを隠せない様子。



「あれは、車。前話たでしょ?んー、昔でいう馬みたいなものよ」

「あれは、生きてるのか」

「生きてないけど・・・。人を乗せて走るのよ。バスに乗るから後で乗れるよ」

「あれに乗るのか・・・?」



顔が引きつってる!
なんか、なんか、楽しい!



「あれはなんだ」

「あれは信号。青になったらわたってもいいのよ」

「あれは」

「あれは、自転車。乗って移動ができるの」




鬼羅さんは物珍しそうにあれこれと尋ねてくる。
私は丁寧に一つずつ教えてあげる。

なんだか、楽しいな。
こうやってお父さんと買い物。



夢にまで見た時間だ。