勢いよく玄関を開け、家に入る。
その音に気付いたお母さんが奥から出てきた。



「由羅?どうしたの?まだ花火打ちあがってもないんじゃない?」

「なんで教えてくれなかったの!」




お母さんに掴みかかるようにしてすがった。
お母さんは驚いて目を見開き、私の肩を支える。




「お母さんが、結婚せずに私を生んだって!相手が、父親が誰かもわからないって!」

「・・・誰が、そんなこと」

「噂になってたって!なんで教えてくれなかったの!?結婚してたんじゃないの?お父さんとは離婚したんじゃないの?お父さんは、どこにいるの!」




頭がごちゃごちゃだ。
わからないことばかりで。




「由羅・・・。ごめんなさい。いつかはちゃんと話さなきゃって思ってたの。でも、ちゃんと受け入れてもらえるかわからなくて・・・」

「そんな、そんなひどいことをしたの?受け入れられるかわからないような話なの!?」




信じられない、なにもかも。
お母さんの言葉も、もう何も信じられないよ。