キミの隣 ~何度だって伝える~

「んで?どれ、やればいいんだよ。」


空き教室に入ってから千智はドカッと偉そうに椅子に座る。

まぁ、手伝ってくれるし仕方ないんだけど……



「これを、ホッチキスでまとめるらしいよ。」


「多くね?あー。やっぱ、帰ろうかな……」


ダメです!帰らないで!結構多いんだから!

必死に抵抗してみると千智は呆れたように溜め息をついた。


「これ、夢の授業で使うやつじゃん」


本当だ……。


そういえば、千智は夢がないとか言ってたけど嘘なんだろうな。


「千智、夢あるでしょ?どうして、この前嘘ついたの?」


「叶わない夢だから。思っても意味ないんだよ。てか、早く手を動かせよ」


……叶わない?なんで。


「そんなことないよ!諦めちゃダメだよ!」



「突っかかってくんなよ。お前が俺の心配してどうすんだ。……ほら、終わったから帰るぞ」


いつのまにか仕事は終わってた。


突っかかっていくよ。


気になるもん