キミの隣 ~何度だって伝える~

辛かった。わかってた。最初からあたしに気がないことくらい。

それでも、ストラップをくれたりパンケーキのお店に連れていってくれたりもしかしたらなんて、淡い期待をしていた。

ううん。自惚れてたんだ……


そうだよね。千智は悠愛が好きなのに。

あたしってば、わかってたはずなのに。

追いかけて、迷って、泣いて……


その、繰り返しだ。
「恵美理……ごめん。」


君はすぐあたしを見つけてしまうんだもの。

「何に謝ってるの?何?なんで、追いかけてきたわけ?来ないでよ……嫌だ!来ないで!」

わけわかんないよ……。

会いたくない。


「恵美理……なぁ。聞いてくれよ……」


あたしの腕を掴んできた千智。

悠愛のことを抱き上げていたことを思い出す

「触んないで!やめて!来ないでってば‼」

体が千智を嫌がる

こんなこと、言いたいんじゃない。


「ごめん。もう、リレーだから。戻る」


そういうと千智は屋上から出ていく。


「ふっ……うわぁ……嫌だよぉ……ち、さと……ご、めんね。ごめん、なさい」


こんな時に涙が出てくるなんて……


フェンスに寄りかかって校庭を眺める。


だんだんと、落ち着いてきた。


それと、同時にリレーがスタートする


あたしたちのクラスは1位をとったことがない。


だんだんと、バトンは繋がれていき次は千智に渡った。


あたしは、とっさに


「ちさとー!!頑張れ!走れ!!はしれええええ!」

なんて、声をあげていた。


そのお陰かわからないけど、千智は一気に全員を抜かしていき



結果はなんと1位‼


よかった……