キミの隣 ~何度だって伝える~

戻らなきゃ

キュッと少し錆びかけている蛇口をひねってあたしは千智の方に戻る


ふぅ……そうやって、椅子に腰をかけているだけでかっこよくみえてしまう


重症だなぁ。これは!



「千智……ありがとね。持っててくれて」


少し眠たそうにしてた千智をあたしは揺さぶり、起こす


「ん……。あーこれ。はい。なぁ、どっか行く?カフェとかいかね?」


あたしの意見はまるで聞こうとせずに、手をつかんで歩き出す


さっきも、あたしが行きたいって行った店に連れていってくれたから、いいんだけどね。



ショッピングモールを出てから路地裏に入るとひとつの店に目がつく



これって……もしかして


「俺、ここのパンケーキ食いたいから。入ろ?」


あたしが、まこに行きたいって言ってた店だ。

たしか、そのとき千智は隣に……いたんだよね。


寝てるんだと思ってたから


びっくり。



「ありがと……」


「はぁ?俺が入りたいからはいんの。勘違いすんなよ?」


可愛すぎです千智くん