キミの隣 ~何度だって伝える~

「千智……離さないの?」

ずっと、握りしめられてるこの手
まぁ、あたしは離したくないんだけど……


「恵美理は、危なっかしいから心配なんだよ」

子供扱いされてる気分。

「なによ!あたしだって、平気だもん」


あーはいはいと呆れたような返事をされた。

「なんか、行きたいとこないの?」


特にはないけど……なんて思いながらあたりを見渡すと


可愛らしいお店を見つけた


「あ、あそこ。見てもいい?可愛い」


千智はあたしの指差す方を見ると一瞬、嫌な顔をして仕方なさそうにお店に行ってくれた


実は、優しい。知ってるよ

ずっと、見てたから。

入学式のあのときから。


少しだけあたしの記憶は遡る