キミの隣 ~何度だって伝える~

「それで、用事ってなに?なんか、用があるんだろ?」

あっ、そうだ。言わなきゃ……

「あの……言いにくいんだけどね?明日、悠愛と加々美くんが出掛けるらしくて、悠愛に明日ついてきてほしいって……言われたんだけど」


きっと、また悲しそうな顔をしてるんだと思った。

恐る恐る顔をあげると、千智の顔色は変わってなかった。

無理に笑ってるような感じもなくて……


「うん。いいよ。もし、辛くなったら俺と抜け出してくれね?」


そうだよ。千智の顔色が変わらないからって悠愛を諦めた訳じゃない。

そんなこと……わかってたのに


「う……ん。協力する。」


人が誰かを好きになるってことは決して誰にも止められない。


誰を好きになろうと自由だけど、やっぱ、好きな人が他の人を想ってるのを目の当たりにすると辛い


「あした、9時に駅前の広場‼」


「おう。わかった。ん?お前、まださぼんの?」

千智は戻ろうとしている。


「あたしは、まだここにいる。悠愛と喧嘩したときとか千智と喧嘩したときとかここにくると安心したから」


そう。ここに、いたらあたしは落ち着けたの