「ど、どうしたの？」

悠愛が泣くなんて本当に滅多にないこと。どうしたんだろう……


「悠愛ね？好きなの」

「誰が？」

落ち着けあたし。千智だなんて誰も言ってないんだから。悠愛の言葉が早く聞きたいようで聞きたくないようなもどかしい気持ちになった。

「隣のクラスの加々美君！かっこいいんだよぉ！でも、考えてみたら、加々美君はモテるし悠愛自信なくしちゃったの……」


……加々美？え、あのイケメンって有名な？
確かに悠愛と加々美が並べばさ？美男美女でお似合い……だけど千智が苦しむ顔を見なきゃいけないんだよね

「でもね？悠愛はさがんば……



「やめなよ。」

悠愛の言葉を遮ってあたしは言った。
好きな人には笑顔でいてほしいから。
あたしは、千智が誰を想っていようと、千智の笑顔が大好きだ

だから……

「ひどいよ。悠愛は、恵美のことに何も反対したことないのに……恵美なら応援するよ！って言ってくれると思ったのに……」

悠愛の目からは止まったはずの涙がブワッと一気にでる。


……最悪だ