「んなぁ、お前はいねーの?好きな人!」


……

「嶋野?おい。恵美理‼」


「ひゃい!?」

名前で呼ぶなんて心臓に悪いよ……特にこいつは


んで、なんだっけ……好きなひと?

あんただよ……

わかっちゃったんだけど、橘の恋してる相手って叶わない人なのかも


「好きなひと……いるかもね!」


ねぇ、ちょっと試したかっただけ。


あたしに好きなひといるって知ったら切なそうな顔してほしい……

なんて、思ってチラッて横を見ると


橘は、笑っていた


「応援しようか?お前の恋。その代わり俺のも応援しろ!」


確定しちゃった……

橘の視界の中にあたしは最初からいないんだ。

「橘は、誰が好きなの?」


怖い。聞くのが……でも、止められなかった。


「おれ?……悠愛ってやつ。」


……なんで?どうして……あたしの友達……いや、親友を選んじゃうかなぁ‼


「お前も教えろよ。好きなやつ」


橘だよ。橘が好きなのにっ……


「あ、あたしはいいよ!違う高校でさぁ‼」


無理矢理笑顔を作って笑って見せる

大丈夫……きっとばれてない