「おい、芽衣、大丈夫か?顔真っ青だぞ」

「だ、大丈夫…」


目眩がする。
クラクラする。

大丈夫じゃない。


でももうチャイムも鳴るし、と、席に着こうと一歩踏み出した途端、ふらりとよろけてしまった。


「しっかりしろ、大丈夫か?保健室連れてってやるよ」


「あ、…」


あっという間に唯翔にお姫様抱っこをされて、あたしはダルい腕を持ち上げて唯翔の首に巻き付けた。


そこで安心した瞬間、フッと意識が途切れてしまった。