「おまたせ」 「べ、別に待ってないし」 「なにその謎のツンデレ。早く帰るぞ」 重そうなスポーツバッグを肩にかけ直し、呆れた顔で唯翔が歩きだす。 あぁ、やっぱりあたしなんだかんだ言って、唯翔のこと好きみたいだ。 だからこそ。 あの子、許せないヨネ。 年下のくせに、人の彼氏に手を出すなんて、信じられない。 「あーもう待ってよ唯翔!!」 「やーだねー」 ねぇ唯翔。 あたし、悪くないよね? やられたら、やり返すものでしょ?