もう一度君を  この腕に

「私があなたを忘れられずにいたから、だから捨てられたの。これでわかったでしょ?」

「それなら振り出しに戻っちまったじゃないか?」

「ええ、そうね。そういうことになるわね。じゃ、さっきの質問にちゃんと答えてちょうだい。」

「さっきの質問?」

「そうよ。何年経っても何も変わってないように思うと私が言ったでしょ。あなたはどう思うの?」

「俺は。」

「正直に言ってほしいの。」

「わかった。俺は止まったままだ。何年経とうがあの頃のまま、ずっと君をあきらめ切れずにいる。本当のことだ。全然忘れられない自分をそのままにして生きてきた。今もだ。」

「そう、本当の気持ちを言ってくれてそれだけで今日はもう充分。会えたことに何て言うか定めみたいなものを感じるけれど、会えないままでも私はあなたを忘れられずにいる自分が好きだった。それほどあなたを想っていたの。」

「何だよ、それ?今日会わなかったら永遠にわからないままじゃないか。そうだろ?」

「それがどうだと言うの?お互いに知ることができないままでもよくなかった?」

「いいわけないだろ?」

彼女は小さく笑った。

「何が可笑しい?」

「相変わらずね。そういう所が卓巳らしい。」

「ひっでぇな。俺はいったいどうすればいいんだ?」

「卓巳は永遠に私の恋人でいてくれればいいの。永遠に会えなかったとしてもね。」

俺は彼女がどんだけ俺を好きなのか

今の言葉で鳥肌が立つほどわかった。