その言葉にハッとなる。

男性がお義母さんの言葉をどんな思いで聞いていたのかと思ったらきゅーと胸を掴まれたような胸苦しさを感じてしまった。

「あの……お悔みを「ありがとうございます。

もう七回忌の法要も済ませましたから……

でもこういう場に来るとやはり思い出してしまいますね」

「あっ……はい」

男性は私に気を遣わせない為なのか?

お悔みの言葉に被せるみたいに早口で七回忌の法要が済んだことを教えてくれた。

「そうですか……私の方も少し前に七回忌の法要が終わりました」

「そうでしたか……」

それっきり二人して暫く無言で見つめ合っていた。

会ったばかりの男性に警戒心を持つ事無く心情を吐露するのは初めてで内心では戸惑いすら感じているのに、この口は止まらない。

「先程……あなたの話をちゃんと聞いてくれる人はいますか?

そう言われた時に正直”ドキッ”としたんです。

主人が亡くなってから周りの皆がそれはそれは気を遣ってくれて……

でも自分が”腫れモノ”になった気がしたので……」

「腫れモノですか……」

「はい。触るな危険の”腫れモノ”です」