「ど、どうしてお前……」 「蒼が心配で……。大丈夫?」 心配? 俺はただ頭を冷やしに来ただけなのに? 「大丈夫だけど……、心配する理由がどこにあんだよ」 「さっきまで喧嘩してたじゃん」 「それだけで?」 「いつもより口調が荒かったし、いつもなら流しそうな言葉にも敏感になって言い返してたし、……気分でも悪いのかなって」 ……え? 雫が次から次へと紡いでいく言葉が、二人だけのこのバルコニーにとてもよく響いた。 そのせいか、俺の耳には、雫の声がクリアに聞こえて、さらに胸を刺激させた。