ステージ横から現れたのは、郁人の義母。
そしてその後ろには、郁人が。
「今日は、このパーティーを思う存分楽しんでいってくださいね」
郁人は、誰をも虜にする極上の笑顔で、マイクを通して言った。
――時刻は既に7時となっていた。
パーティーの開会式が終わり、ついに始まった。
「郁人はまだ挨拶してるのか」
パーティー開始から、約20分後。
瑛士がテーブルに並べられた豪華な料理を取りながら、郁人の様子を伺っていた。
郁人はまだ義親と一緒に、いろんな人に挨拶をしていた。
「郁人、大変だね」
雫は、ため息混じりにそうこぼす。
郁人の表情は、さっきからずっと“営業スマイル”。
ありゃ、随分とお疲れのようだな。



