「迷惑かけて、ごめんなさい」 それは、幼いながらの精一杯の遠慮だった。 もう自分のことはいいから。 私のことは放っておいていいから。 雫ちゃんはそう言っているんだ。 やっぱり間違っていたんだ。 私をここに連れてきたのは。 そう心で思っているんだ、雫ちゃんは。 そんなことないのに。 俺は、間違いだとは思っていないのに。 雫ちゃんはもっと子供らしく、泣き叫んでも、わがままを言ってもいいのに。 どうしてそこまで、自分自身を大切にしてないんだ。