こ、これ……夢とかじゃねぇよな?
現実、だよな?
「ね、ねぇ、蒼……」
「な、なんだよ」
「私、場違いな気がしてしょうがないんだけど……」
雫の声は、緊張しているのか震えていた。
俺もさっきから、慣れてない場所で内心固まってるし。
「郁人って、すごいんだね」
「郁人がすげぇんじゃねぇ。郁人の親がすげぇんだ」
「そ、そうなんだけどさ」
「ま、言いたいことはわかるけどな」
これが“日常”の郁人が、なんか別世界の人間って感じがするんだろ?
わかりたくないけど、わかる。
洋館での郁人はただのうるさいチビだが、ここでの郁人は本当にお坊ちゃまみたいで、変な感じだ。



