獣★愛SS~最強ケダモノ男子の特別視線~







「さすがにまずいだろ…。誘拐だぞ、それ」



自分の後頭部に手を回して、顔を歪ませて話す真汰。


彼なりに心配しているようだ。









「……あ、の」











ここで、家に来てから初めて、雫ちゃんが声を発した。


その声は震えていて、弱々しかった。








「ごめんなさい」








突然の謝罪に、俺と真汰は動揺した。



なんで謝るんだ?

謝るようなこと、してないじゃないか。




不安に似た気持ちが、心を支配した。