夏祭りがあった3日後。
学校から洋館に帰ってきてから、郁人【イクト】が話し始めた。
「今週の土曜日、僕の家でパーティーがあるんだけどさ~」
郁人の家は金持ちで、パーティーなんてよくあることだ。
「パーティー?」
少し肌が焼けた雫が、首をかしげた。
肌が焼けても、雫は白い。
焼けにくい体質なのか?
「そっ、パーティー!
会社創立から10周年記念ってことで、いろんな人招待してやるんだって!」
郁人は身を乗り出して、そう言った。
パーティーとか、めんどくせぇ。
俺は、誰にも気づかれないようにため息をついた。