狼? 俺が? そんなこと初めて言われた。 「優しい狼みたい」 「なんで狼なんだ?」 「狼ってね、自分の信じた道を行くんだよ。それに、突然の変化にも乗り切っていく。 あと私の勝手なイメージだけど、狼はどんな闇の中も迷うことなく歩いていける、気がするの」 どんな闇の中も…? 「博も、私の過去を迷うことなく受け入れてくれたでしょう?」 だからだよ、と雫は柔らかく微笑んで言った。 俺の存在は、雫の光になれただろうか。 でも、雫が心を“完全に”開いてくれたのは確かだ。