獣★愛SS~最強ケダモノ男子の特別視線~








「この子、なんだけど……」







俺は、ずっと扉に隠れていた雫ちゃんを俺の前に来させた。


雫は恥ずかしいのか、顔を俯かせている。





「誰、そいつ」





口調がやや喧嘩腰できついのは、真汰の生まれつきの癖。


その言い方直せよ、といくら言っても直らない。




雫は真汰の口調に、唇を噛み締めた。




俺は「大丈夫」と小声で囁き、雫ちゃんの小さな肩をポンポンと優しく叩く。








「拾ったんだ」








まるで捨て猫でも連れてきたかのように、俺はさらっと平然とした顔で言った。



平気な顔して言わないと、内心、動揺してることがバレてしまう。

真汰にも、……雫ちゃんにも。