「お、お父さんが……お母さんとお姉ちゃんを外国に売ったから、人の命をどうでもいいかのように扱ったから、だから……っ、」 止まらない雫の涙。 ずっと我慢してきたんだな…。 俺は優しく、雫のことを抱きしめた。 「もういいよ。話してくれて、ありがとう」 これ以上聞いたら、雫は本当に壊れてしまう。 そう思って、俺はそう言った。 「うっ…、ふぇ……」 泣き叫んでもいいのに、こんな時まで声を押し殺している。 人身売買された家族。 そしてその犯人は、同じ家族。 なんて、残酷な闇なのだろうか。