え……? 今度は、「え」の声も出なかった。 声を出せなかった。 真実があまりにも、暗いもので。 雫が話す過去が、予想よりも遥かに闇に包まれているもので。 手の震えを止めることは、できなかった。 「はは、驚くよね。……ごめん。受け入れられないことだって、必ずあるもんね。 話してごめんね」 違う。 違うよ、雫。 泣きたくなる衝動を必死に抑え、俺は首を振った。 雫が謝ることなんて、何もない。 俺がただ、弱いだけなんだ。