雫の大きな瞳に、涙の膜が張る。 雫の声が、だんだんと震えていくのがわかった。 俺には、まだ覚悟なんてない。 踏み込む準備なんて、まだ出来ていない。 だけど、自信はあった。 どんな雫を知っても、好きでい続けられる自信が。 だからだろうか。 こんなにも落ち着いた気持ちで、雫と向き合っていられるのは。 「だけど怖くて……」 「大丈夫」 「博……」 「雫のこと、嫌ったりなんかしないから」 俺はもう一度「大丈夫」という魔法の言葉を、泣きそうな雫に言った。