「嬉色望空さんに何かあったってことだよ。言ったでしょ?病院の裏の路地って。嬉色望空さんは、病院に用があった」
病院に……?
『どういう意味だ』
俺は雫に俺の携帯を渡した。
俺が伝えるよりも、雫が直接言ったほうがいい。
時間短縮になる。
それになにより、効率がいい。
「私も詳しくはわからないけど、嬉色望空さんは多分……今闘える状態じゃないと思う。だからすぐに助けに行ってあげて」
『………わかった』
真汰はほかにも何か聞きたそうだったが、今の状況をちゃんと理解した上で、そう呟いた。
そしてそのまま、真汰は電話を切った。
雫はグッと伸びをする。
ひと仕事終わったように。



