いつもなら、俺が帰る前には帰ってきてるのに。 夕飯を食べてから、双雷の洋館へ行くことはよくあるけど、この時間にはいつもいる。 雫がこの家に来てから、この時間は家に帰るようになった真汰。 真汰なりに、雫を思ってのことだろう。 だけど、どうして今日はいないんだ? 珍しい……。 双雷関係で何かあったのか? 嫌な予感が、胸の中で渦を巻いた。 「博」 「どうした?雫」 「……真汰、大丈夫かな?」