獣★愛SS~最強ケダモノ男子の特別視線~







「あぁ、わかってる」




言葉の重みというものを、初めて実感した。


頷くだけで、心の中にズシン、と鉛のような重いものが落ちてきた。





嫌ってくらい、わかってるよ。


……わかってるけど。






わかっているだけでは、どうにもできない。


ちゃんと、踏み込む準備をしないと。








雫が壊れてからでは遅いんだ。



雫が心を閉ざしてからでは、手遅れなんだ。









「わかってるならいいけど」



真汰は愛想なくそう言って、俺からテレビへと視線を移した。





プレッシャーに似たような感情が、押し寄せた気がして、足が震えた。